男性のグルーミングは増加傾向?

Kantarのデータによると、男性はヒゲを生やし始めつつある一方、依然としてスキンケアやヘアスタイリングに時間とお金をかけています。

男性のグルーミングは増加傾向?

男性消費者によるトイレタリーの売上高は前年比1.4%増で、トイレタリー市場全体(成長率わずか0.4%)の成長率を上回る成長をとげました。

トイレタリーの売上高全体に占める男性の割合は31%であり、平均的な男性がトイレタリー製品に使う金額は年間71ポンドに上ります。これは昨年の70ポンドから増加してはいるものの、金額としては依然として年間174ポンドを使う女性を大きく下回っています。もちろん、これは世帯全員で使うトイレタリー製品を女性が購入しているからという理由も考えられます。

男性用トイレタリー市場には、明らかに「ラブ・アイランド効果」(イギリスのテレビ番組)がみられ、脱毛剤(除毛製品)は男性向け製品として最も急激に成長しているカテゴリーであり、前年比25%増、昨年度の売上は600万ポンドでした。男性の3.7%が脱毛剤の購入を始め、カテゴリーに142,000人の男性客を引き寄せたことになります。

男性のスキンケア製品もまた、16.5%の売上増となり実に堅調な成長を遂げています。特に、フェイスマスク がますます普及しています。ヘアスタイリング製品の成長率は5%です。

Kantar Mediaの最新TGIデータによると、英国男性の3分の1(33%)が肌にフェイスクリームとローションを使っています。これらの製品の使用頻度としては、男性の4%が1日に2回以上、11%が1日に1回、10%は週に1回から数回、7%は週に1回未満であると回答しています。

男性による肌や髪の外見を整えるための支出が増えている反面、ヒゲを生やすことを選択する男性の増加によって、剃刀やシェービング製品などのカテゴリーが打撃を受けています。 Kantar Worldpanelの使用状況データによると、顔全体をヒゲ剃りしている男性の数は減少傾向にあり、過去5年間で20%近く減少しています。きれいにヒゲ剃りするのをやめて無精ヒゲを生やす男性の数は、3年間で15%増加しました。シェービング製品の売上高は今年度6%の減少であり、過去5年間で3,000万ポンド以上の低下となっています。つまり2014年の2億300万ポンドから2018年には1億7,300万ポンドに低下したのです。

17~24歳の男性は他の年代よりも、顔の毛の手入れに多くの時間を費やします。この手入れに毎日15分以上かけている人のうち、45%がこの年齢層に該当します。ヒゲのトリミングは注目を集めており、これはグルーミングに15分以上かける人の間で31.1%増加しています。 男性は自分のヒゲのトリミングにより多くの時間を費やしていますが、ヒゲの形はあまり重視していないようです。グルーミングに最も長い時間を費やす男性が「ヒゲの形を整える」のに費やした時間は26%低下しています。

出典: Kantar Worldpanel, Kantar Media